製品作りや修理に関するアルビットのこだわり
アルビットでは、製品作りや修理など、それぞれに使用する機材、パーツにこだわりを持って取り組んでいます。たとえば真空管などは、2機種のチューブチェッカーを独自のスタイルで開発し、真空管の24時間エージングや測定を行っています。また、製品作りの際に音出しチェック用のアンプを自作し、チェック環境を充実させていたり、コンプレッサーに使われているフォトセルと呼ばれる光素子を自社で製作していたりしています。ここではそんなこだわりの一部をご紹介させていただきます。
チューブチェッカーのご紹介
なぜエージングが必要なのか?
真空管を使用した自社製品や、各社修理品に対して、品質の改善や初期不良対策から、2機種のチューブチェッカーを独自のスタイルで開発し、真空管の24時間エージングや測定したチューブを使用しています。
新品のまま長時間作動させなかった真空管は、真空管内部でガスが発生し、真空度が低下した状態になっている場合があります。この状態のまま実際に使用すると、まれに真空管内部の電極間で放電が始まり、最悪の場合は真空管が破損します。このような状態になる事を低減させるために、真空管の長時間エージングを実施しています。
弊社では、最初に低い電圧でほぼ10時間、更に定格で10時間近くフィラメントを熱し、その熱でガスを放出させ真空管内部のゲッター(真空管ガラス内部の壁面の黒く光っている部分)へ吸着させ、良好な状態に近くづくようにエージングをしています。
測定時に真空管に付加する電源は全て安定化された電源で、プレート電圧は、180V~450Vまで、スクリーン電圧は、180V~400Vまで、BIAS電圧は、-3V~-75V調整可能です。それぞれの真空管に適合する電圧にセットできます。
プリ管(増幅管)用
出力管用とは別に、こちらはプリ管(12AX7、12AT7などの同型タイプ全て)専用で、同時に18本のプリ管のエージングや動作電流の測定が可能です。
12AX7や同型のプリ管類は複合管と言い、1本の真空管の中に3極管が2本入っています。この2本分それぞれのバラつきと全体から見たバラつきを測定し(左下の写真参照)、実際に実装する際に、その実装する部分の動作に合った真空管を選別しています。
※製作後更に改良を重ね、相互コンダクタンス(gm)の値も計測可能になりました。相互コンダクタンスは真空管の動作上最も重要な値で、この値大きい真空管ほど優れているといえます。
新品のまま長時間作動させなかった真空管は、真空管内部でガスが発生し、真空度が低下した状態になっている場合があります。この状態のまま実際に使用すると、まれに真空管内部の電極間で放電が始まり、最悪の場合は真空管が破損します。このような状態になる事を低減させるために、真空管の長時間エージングを実施しています。
弊社では、最初に低い電圧でほぼ10時間、更に定格で10時間近くフィラメントを熱し、その熱でガスを放出させ真空管内部のゲッター(真空管ガラス内部の壁面の黒く光っている部分)へ吸着させ、良好な状態に近くづくようにエージングをしています。
2種類のチューブチェッカー
パワー管(出力管)用 2006年に出力管(6L6、6CA7、6550、EL-84など)をエージング・ペアリングするための測定を目的とした大型チューブチェッカーを製作しました。特性の揃ったペアチューブをアンプに実装し、その時点での適性なバイアス調整を行うことでベストなサウンドが期待できます。測定時に真空管に付加する電源は全て安定化された電源で、プレート電圧は、180V~450Vまで、スクリーン電圧は、180V~400Vまで、BIAS電圧は、-3V~-75V調整可能です。それぞれの真空管に適合する電圧にセットできます。
12AX7や同型のプリ管類は複合管と言い、1本の真空管の中に3極管が2本入っています。この2本分それぞれのバラつきと全体から見たバラつきを測定し(左下の写真参照)、実際に実装する際に、その実装する部分の動作に合った真空管を選別しています。
※製作後更に改良を重ね、相互コンダクタンス(gm)の値も計測可能になりました。相互コンダクタンスは真空管の動作上最も重要な値で、この値大きい真空管ほど優れているといえます。
独自の発想で製作したプリチューブ専用のチューブチェッカーです。 | 測定するためのコントロール部分や測定端子などです。 | 実際のエージング風景です。ヴィンテージチューブをエージング中です。 |
12AX7、12AT7などの複合管(1本の中に2本分のチューブが内蔵されている)を個別に測定できるため、特性の合ったものも容易に選別できます。 | ACで8Aという大型トランスを使用しています。大量にチューブを作動させても電源が安定しています。 | チューブチェッカーの内部の配線です。 |
フォトセルのご紹介
コンプレッサーに使用しているフォトセルを自社生産しています。
ハンドメイドにて自社製のフォトセルを製作し、そのフォトセルをALBITの全てのコンプレッサーに採用しております。 写真は実際のフォトセルの製作風景です。
左の写真は、両側に穴が空いている筒状のものの片側にCdS(硫化カドミウム)セルを挿入しています。
中央の写真は、左の写真の反対側にCdSと向かい合うような形にLEDを挿入しています。LEDも日本製のLEDを使用しています。
右の写真は、フォトセルの完成品です。外部からの光を遮断するため、左と中央の写真の工程が終了した後にチューブを被せます。 これで内部のLEDの光る明るさにより抵抗値が変動するフォトセルの完成です。このフォトセルを弊社のコンプレッサーに採用しております。
左の写真は、両側に穴が空いている筒状のものの片側にCdS(硫化カドミウム)セルを挿入しています。
中央の写真は、左の写真の反対側にCdSと向かい合うような形にLEDを挿入しています。LEDも日本製のLEDを使用しています。
右の写真は、フォトセルの完成品です。外部からの光を遮断するため、左と中央の写真の工程が終了した後にチューブを被せます。 これで内部のLEDの光る明るさにより抵抗値が変動するフォトセルの完成です。このフォトセルを弊社のコンプレッサーに採用しております。
製品開発・音出しチェック用の機材のご紹介
ここでは、製品開発や音出しチェック用に実際に使用している、独自に開発したオールチューブパワーアンプやプリアンプをご紹介しています。
オールチューブ Aクラス 実行出力(無歪)28W パワーアンプ 出力管に6550×2を使用、フェーズインバーター回路などに12AX7を3本使用し、独自のドライブ方式を採用した回路構成で、弦の倍音などが通常のABクラスよりリアルに再現します。
オールチューブ ABクラス 実行出力(無歪)45W パワーアンプ
出力管に6L6×2、プリ管に12AX7×2、12AT7×1を使用、一般的なパワーアンプより音質向上の目的で独自の駆動方式を採用している。
A1FD pro / J.M 1959 PRE-AMP
製品開発や製品チェック時に使用しているプリアンプです。A1FD proはアメリカ風なサウンドをチェックする場合に使用しています。1959のプリアンプは、ヨーロッパを代表する往年の名機を再現したトーン回路などに、独自のコントロールを追加した非売品です。A1FD
proと同様の目的で使用しています。
オールチューブ Aクラス 実行出力(無歪)28W パワーアンプ 出力管に6550×2を使用、フェーズインバーター回路などに12AX7を3本使用し、独自のドライブ方式を採用した回路構成で、弦の倍音などが通常のABクラスよりリアルに再現します。